武道 ー「人間の原点」の視点から
日時 : 6月21日(土)15:00〜17:00
講師 : 坪井香譲
- 演 技
- ビデオ上映
- 話
- 三木成夫氏等の発生学、斉藤公子氏の育児学に沿った人間の原点と活動の理論。
- 参加者(希望者)による〈タケのやわらげ〉の型のワークショップ
今回は、坪井香譲が1980年に8の字または∞(無限記号)状あるいはメビウスの環状の動きを発見し、〈やわらげ〉と名付け、これに基づき、∞気流法を世に問うてから丁度27年目に気付いた〈タケのやわらげ〉の展開として、武の技をとらえ直します。
これはいわば人間が〈全身全霊〉で充実して動作し、行動し、技や術を行なうその構図を根本的にとらえ直すものです。
よく〈集中〉しなければならないと言います。けれど集中が〈緊張〉に横すべりしてしまうのはなぜか?… この謎を解きました。それはいわゆる脳科学だけでは到底解けないものです。直立二足歩行を含む、人体のあり方の〈原点〉を解明してはじめて解けると思われます。
それを解こうとする道筋で、∞状の動きが〈タケのやわらげ〉に進化した。そうすると現実に様々なことが坪井自身の身にもけいこに取り組む人々にも起ってきました。この5ヶ月間くらいの間のことです。思いつくままにその一部を挙げてみます。
静かに〈爆発〉を続ける〈タケのやわらげ〉の展開 ─ 変化の例の一部
- けいこの度ごとに、履物がゆるゆる、時にはぶかぶかにさえなる。時にはたった15分くらい、そんなに運動量は多くないのに足が締まるからです。ほとんどの人がけいこの度にそうなります。
- ふくよかな人たちは一、二週間でスリムになってくるのが他人にも分かる場合がある。
- 本を読む集中力が強くなり持続力が増進する。原稿を書く集中、持続力も。
- 5月の二泊三日のセミナーに、一泊だけしか参加できなかった人だが、何とずーっと用いてきた老眼鏡が不要となった。半月後の今もそのままだ。この人は職業柄、本など多く読む人だが。
- 外反母趾が治ったか相当よくなった人が二人。
- 年齢や日常の疲労の積み重ねでややたれ目になっていた人のまぶたの下がり方が恒常的に少なくなった。上がってきた。
- 睡眠中に一度は早朝トイレに起きていたのがなくなった人がいる。
- 身体の内側が充分感じられるようになった(身体感覚のレベルが増した)。そして歩き方がやわらかく軽くなった。
- たとえば家での会話中やTVを見ている時など、ちょっとした言葉遣いなどが気になったとき、ふと立ち上がって本棚の辞書を引き出して調べる、それを面倒がらずにしている自分に驚く。
- 坪井は剣術の型で行なう時の速度が格段に増した。単に速いだけでなく的確さや集中が進化した。剣道家はその一振りが目覚ましく進歩してしまったケースがある。能楽師もその身ごなしが一日で進歩してしまった、と、うれしい報告があった。
等々、10. を除くとまるで健康雑誌のタイトルみたいだが、これでも押さえ気味に述べている。飽くまでけいこの参考になると思って書いているつもりです。上のようなことがどんどん生じ得る。
このような〈タケのやわらげ〉によるめざましい働きは、それが〈人間の原点〉によるからです。元の本から姿勢や行為の集中とリラックスを根本的にとらえ直してみたからだと思います。
もともと人の生死や対決が直にかかわる武術も、まさにこの根源にかかわる、そのことを明らかにしてみたいと思っています。〈人間の原点〉というのは人が生物、動物、哺乳動物の側面を保ちつつ、直立二足歩行という大事件によってヒトとなったそのプロセスの中にある構図のことです。三木茂夫氏の発生学、斉藤公子氏の育児学の観察も大いに参考にして、そのことを明らかにし、実際の〈型〉─ 〈タケのやわらげ〉にそれを活かしている、ということです。
これまで〈ひかりの武〉に参加された人も、そうでない方も、武道には関心のない一般の方も参加してみてください。
2008年5月20日
∞気流法の会
予告
2008年8月1日〜3日(金土日)/∞気流法夏の宿泊セミナー「様々な身体技法のエッセンス〈タケのやわらげ〉」
於・東京奥多摩御岳山 (詳細後日発表)
*1:∞気流法の「身体の文法」を全て含みつつ、いわゆる「瞑想」と「実用」がぴったりと重なった型。〈タケ〉とは自然の威力と自らの意思が合致すること。〈タケのやわらげ〉について詳しく知りたい方はこれまでの資料(この数ヶ月に多くの方にセミナー等のお知らせとしてお送りしているものですが)をお送りします。∞気流法の会へお問合せ下さい。